2019年
5月5日
ギャラクティック・アワー、ニュース要約版 : 侵略直前?SP
2019-05-03 13:07 スコープ、レト・グロリアクス
トリグラヴィアンからの通信はいまだ続いており、その内容は不気味さを増す一方だ。カプセラ達はアビスからの侵略が今にも始まろうとしているのだと確信しているが、それはさておき、「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースを要約版でお届けする。
◆トリグラヴィアンの通信から「ワールドアーク」の存在と調査活動が発覚
セミオシス伝導コンソールで受信したデータからトリグラヴィアンの新たな活動が確認され、彼らの偵察部隊がニューエデンの複数の星系を調査していたことが明らかになった。過去数週間と同じく、このデータも明らかにトリグラヴィアンが発したものであり、カプセラ達は解析結果をGalNetで公開している。最新のデータはこれまでになく不穏で、恐ろしく巨大な艦船「ワールドアーク」に対して様々なチェックが行われ、実働可能な状態になったことを伺わせる内容だった。カプセラ達はトリグラヴィアンからの通信や、この超巨大艦の建造地に関する報告を深刻に受け止めており、これらはアビスの住民がニューエデンへ侵攻してくる前兆ではないかと恐れている。
◆CONCORDは「新興脅威」に対する総合指揮権をAEGISへ付与
トリグラヴィアン関連の緊急事態を受け、CONCORDのカシハ・ヴァルカニール大佐は、AEGISが「特にケース・グリーンマジックおよびケース・レッドガンマに関して、新興脅威の調査・対処を行う指揮責任」を与えられたと発表した。ギャラクティック・アワーは、「ケース・レッドガンマ」はドリフターズやトリグラヴィアンのような新たな脅威を指すコードネームだと理解している。もう一つの「ケース・グリーンマジック」には様々な憶測が交わされているが、おそらくサンシャ国の活動を指しており、付随する情報から判断するかぎり、サンシャ・クヴァケイの軍隊はトリグラヴィアンと戦闘状態にあるようだ。もしこれが事実であれば、アビサル・デッドスペースではトリグラヴィアン、ドリフターズ、サンシャ国の三つ巴の戦いが繰り広げられていることになる。だが、カプセラ探検家はアビスでサンシャ軍を目撃しておらず、そのような戦いがどこで行われているかは不明だ。
AEGIS憲兵司令官であるヴァルカニール大佐は、トリグラヴィアン関連事案について「独立組織が法の範囲内で活動することを妨げる」理由はないと宣言した。スコープとしては、当局がオープンな方針へ転換したことで、この重大問題をより詳しく報じるための具体的活動が実現することを期待したい。
◆マルカレン事件記念日を前に、ノワールのアイドニス像没収が呼びかけられる
YC110年5月15日に起きたマルカレン事件を記念し、今後数週間にわたって様々な記念行事が行われる。カプセラ社会でも今週末、イシュコネ・ラータ指令執行局(Ishuk-Raata Enforcement Directive)が集会を開催する予定だ。だが、事件発生日が近づくにつれて、11年前にこのテロを起こしたアレクサンダー・ノワール提督からアイドニス像を没収するか否かという議論も再燃している。マルカレン事件から間もない頃、ノワールからアイドニス像を取り上げるべきだと最初の呼びかけが行われたが、アイドニス財団はノワールの過去数十年におよぶ平和への貢献を賞したのだと主張し、像を没収しない判断を下した。影響力ある論説記事がこうした経緯に触れたため、没収を求める動きが再び強まったわけだ。これまでのところ、アイドニス財団は今回の論争についてコメントしていない。
◆サッカー部族の傭兵がクーニッド奴隷商人をオークションにかける
アマー帝国とミンマター共和国の当局から追われていた悪名高き奴隷商人、オルロン・ザシェフが捕まった。拘束したのはサッカー部族の賞金稼ぎグループで、ザシェフの身柄はGalNetを通じて公開オークションにかけられている。セイカル氏族の「ヘッドハンター」であるセスリ・アショクによれば、ザシェフは注意を怠ったために彼女のグループに捕らえられたのだそうだ。元ロイヤルウーランズ大佐のザシェフは戦争犯罪や長年の奴隷売買の罪に問われているのだが、驚くべきことにISKはほとんど持ち合わせていなかったという。共和国司法局はザシェフに対して500Miskの懸賞金をかけているものの、アショクはこの金額を「大した額じゃない」「ちょっと安すぎる」と一蹴、自らオークションを開いて最高入札者へ売り渡すことを選んだ。既にアマーやミンマターから入札が相次いでいるこのオークションは、月曜日の午後23時59分まで行われる。
◆スクーベスタ社がミンマター市場でアチュラ観光キャンペーンを開始
スクーベスタ観光事業部がパター星系で大規模キャンペーンを開始し、アチュラ(サイシオ3)の緑豊かな自然や美しい街並みをホロディスプレイで紹介している。ハガー(パター3)のフケレヌイ地区では、通勤客に向けてカソム湿地の広告が表示された。マター(パター4)のジェイド海岸にあるカジノでは、ありふれたスロットマシンが撤去され、ペンスリア聖堂にインスパイアされた機種…霊的に重要な数字を引き当てると修道士の踊りが表示される…が登場した。そして昨夜のシフティングの試合では、タイムアウト中にアニメーションCMが放送された。カニア・ポンチャというアチュラ人少女が笑顔で歌いながら、チャラームの細い街路をスキップする内容だ。カニアはタイムアウトの終わりに、抽選で無料のチャラーム旅行が当たるので、お気に入りのスクーベスタ商品をGalNetアドレスへ送るようにと呼びかけた。シフティングの観客はこのCMについて、キャラクターの顔の特徴がかなり誇張されているように見えるとコメントしている。
スクーベスタ社はこうしたターゲットマーケティングを通して、サイシオ観光を強く売り出そうとしている。アチュラ人カプセラのカティア・サエ(Katia Sae)がニューエデン一巡を達成し、その偉業が世界各地で広く祝福されたため、これに便乗しようというのだ。スクーベスタ社はキャンペーン第一弾として数量限定バケーションパッケージを販売する予定だが、同社は需要に応じてキャンペーンを拡大する計画もあると明かしてくれた。同様のキャンペーンはこれから数週間以内に、ルミネール星系やアマー星系でも開始される予定である。
◆ダム・トーサッド高級住宅街の樹木園が炎上
アマープライムの帝都ダム・トーサッドから入ってきた最新ニュースによると、貴族の邸宅が数多く存在する有名樹木園で大規模火災が起きている模様だ。詳細は分かっていないものの、エルキン邸の近くから火の手があがり、園内の希少な古木やその他の植物へ燃え広がったと伝えられている。当局は放火や暴動について肯定も否定もしていないが、ある目撃者はギャラクティック・アワーに対し、数名の訪問客が「突然暴れたあと爆発して火の玉になった」と証言してくれた。この証言が事実であれば、自爆テロが原因となって大火災が起き、樹木園とエルキン邸を焼失させたことになる。なお、複数のエルキン家の人間と連絡がとれていないとの未確認情報も入っている。
2019年
5月4日
ギャラクティック・アワー、ニュース要約版 : セミオシスSP
2019-04-12 20:54 スコープ、レト・グロリアクス
トリグラヴィアンが発しているらしい奇妙な通信を受けて、カプセラ達は「侵略」が差し迫っているのではないかと噂するのに忙しい。そこで「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースを要約版でお届けする。
◆カプセラはセミオシス・デバイス所有者に転送されたデータを考察中
ここ何週間か、カプセラ達はトリグラヴィアンが発したと思われるデータを受信し、その内容を公開し続けている。ギャラクティック・アワーはカプセラのたゆまぬ努力を称賛したい。彼らはデータ解読を進めるだけでなく、巨大な建造地を内包したアビサル・デッドスペースの調査も継続しており、トリグラヴィアンの活動や意図を探るための主要な情報源となっている。なお、指令執行局SAROのオヴェグ・ドラスト艦長からは次のようなコメントが得られた。
「これは機密性の高い問題だが、カプセラのうぬぼれは強まるばかりだ。おかげで厄介な事件がいくつも起きて、CONCORDは対抗策を講じることを余儀なくされた。今この時でさえ、1人の狂ったカプセラがパターで騒ぎを起こそうとしている。ARCやLUMEN、その他もろもろのカプセラ組織は狂人を煽り、奇行に手を貸すつもりだ。考え無しの行為は止めなければならない」
◆トリグラヴィアンの絶滅標的にされるサンシャ国
軍事専門家やポストヒューマニズム哲学者によれば、トリグラヴィアンはサンシャ国を「堕ちた集合意識」、「集合接続」された存在などと呼び、「絶滅」の標的にしているという。「認識論的危機のメタ考古学」を著したケイル大学ポストヒューマニズム学科のウンベルト・ペンデュロ博士は次のようにコメントした。
「いわゆるハイヴマインドを含む、ポストヒューマン的存在に激しい敵意を抱いていることが強く伺えます。ほぼ間違いなく、サンシャ国とその支持者が対象でしょう」
一方、元連邦海兵隊将校のクロムウェル・アン・シュッド大佐はこんな風に語った。
「私がサンシャを支持するカプセラなら、心配もするだろう。だが、トリグが俺たちのためにドリルヘッドを片付けてくれるなら、そりゃあ結構なことじゃないか!」
◆ベラロン法案が元老院で失速、公開討論会は暴力事件に発展
ガレンテ連邦では、死刑の非合法化を目指す「ベラロン法案」が時間をかけて審議されており、国内各地で死刑制度についての公開討論会が開かれている。スヴィオ・ベラロン元老院議員の法案は元老院本会議に持ちこまれたものの、堂々巡りの議論に突入してしまい、元老院のスケジュールは変更が相次いでいる状況だ。一方、法案の支持者らは死刑賛成派の連邦構成体が「汚いトリック」を使っていると訴え、構成体の意を受けた特別利益団体を糾弾。昨夜は惑星シャンデイルの主要都市クローヴィスで法案支持派が集会を開催したが、死刑賛成派が集会参加者と衝突し、集会は暴力行為のなかで打ち切られた。アイドニス財団から参加し、集会で演説したアルトゥリオ・キールヴァラニ医師は、次のようにコメントした。
「私はミンマター共和国の難民キャンプなど、多くの場所で政治的暴力を目撃してきました。しかし、それを連邦で目にするとなると、いつも以上に悲しい思いに襲われます。とはいえ、この動きを止めることはできないでしょう。死刑を終わりにする時が来たのです」
◆クーニッド王国は依然としてファバイ・コンステレーションの法的措置を追求
アマー皇宮関係者によると、アリディアとクーニッド王国の境界に位置するファバイ・コンステレーションをめぐり、クーニッド家とカドール家の臣家のあいだで法的議論が強まっている。クーニッド海軍は最近、ブラッドレイダーの攻撃を受けたアナス星系を救援するために出動したが、クーニッド家は領地防衛の義務を有する貴族が十分な措置をとっていなかったと主張。実際のところ、「ファバイの貴族」という称号は7年間にわたる法廷闘争の対象となっており、クーニッド家の法廷でジャカッド家とパシュティム家が裁判を繰り広げている。クーニッド家は両家がファバイ・コンステレーションの領有権を争っておきながら、同地の安全保障を怠ったと指摘した。アマー海軍第7艦隊の関係者がギャラクティック・アワーに明かしたところによれば、クーニッド家の主張は根拠のないものではなく、第7艦隊は「地元貴族の艦隊が担当するはずの警戒スケジュールをいつも代行」しなければならなかったという。
クーニッド家の要求が実現するかどうか、アマー観測筋の見解は割れている。だが、カドール家のアリディアにおける活動はマヨンエン・コンステレーションに集中しており、帝国法で定められた義務を果たしているかと問われれば、この割譲要求に対して不利な立場に置かれそうだ。クーニッド側の主要人物であるアラル・チャーケイドは、アナス星系の救援やファバイ・コンステレーションの不安定な状況を前提として、次のように述べた。
「悲劇的な事件だった。特にアナス2は酸鼻を極めたが、私のロイヤルウーランズと王立海軍はできるかぎりのことをした。ファバイは我が国にとって重要な近隣星系であり、私が拠点としているズーサムも数ジャンプしか離れていない。我々がブラッドレイダーの襲撃を目の当たりにしてどれほど恐怖を覚えたか、分かってもらえるだろうか! このような事件の後でも、ミンマターテロリストやアマターの裏切者が躊躇いなく状況を悪用していることをどれほど軽蔑しているか、理解してもらえるだろうか! ファバイはクーニッド王国の保護のもとに置かれてこそ、平和とさらなる繁栄を享受できるのは明白である」
◆カルダリ連合はテイジー星系の警戒態勢が万全だと報告
キョウノーク・ピットが存在することで知られるテイジー星系において、ガリスタス海賊団が襲撃事件を起こした。カルダリ連合はギャラクティック・アワーからの取材を受け、同地のAEGIS監視施設と、テイジー8第1衛星のキョウノーク・ピットの状況について回答。代表取締委員会広報担当のオド・ハカーレンは次のように発表している。
「代表取締委員会は連合当局ならびに企業治安部隊が、テイジー8第1衛星ヒャショーダ社キョウノーク超伝導資源採掘坑の完全な警備状況を維持していることに満足しています。なお、カルダリ海軍およびホームガードは、先日のガリスタス海賊団による襲撃行為に関与していません。本件についてはCONCORDへお尋ねください」
ギャラクティック・アワーはAEGISその他のCONCORD各部門へ問い合わせたが、今のところ回答は得られていない。
◆モードゥ部隊、インタキ星系とルミネール星系においてガレンテ・カルダリ民間軍事企業と大規模演習
モードゥ部隊は今後数週間以内にインタキ星系とルミネール星系において連続した演習を実施すると発表した。演習にはコンドッタ・ルヴェナー、イスーアヤ・タクティカル、キルキネン・リスク管理、リシェフ星間戦略、ビロア・セックオプス、ズマリ・フォースプロジェクションなどの民間軍事企業も多数参加する。モードゥ部隊は先月、インタキプライムにガレンテ・カルダリの民間軍事企業を招いて会合を開き、両国の民間軍事請負業や傭兵契約について協議していた。
◆アリム・アーディシャパーの招請により、聖テトリモン教団がアマター自治領支部を設立
アーディシャパープライム9、ヴェス・アルコンのアーディシャパー家宮廷から入手した情報によると、聖テトリモン教団はアーディシャパー家当主アリム・アーディシャパーの招請を受け、アマター自治領に新支部を設立した模様だ。新支部は教団総本部から派遣された有志のもとに形成されるが、この支部はアーディシャパー領、すなわちドメインの主要星系とディレリック全域から人員を募るため、特殊な体制を敷いているようだ。また、アリム・アーディシャパーはジャリザ星系の惑星ハルトゥルザーンに要塞修道院を建設する許可も与え、第1自治領贖罪者旅団へ工事や資材を支援するよう命じたとも噂されている。
◆ブラックドラゴンがYC121年度マタール国際マインドクラッシュトーナメントで優勝…クルースアル部族は盛大に祝う
クルースアル部族のベテランマインドクラッシュプレイヤー、「ブラックドラゴン」ことジルド・ミッケラがマタール国際マインドクラッシュトーナメントで優勝。ミンマターマインドクラッシュツアーを制してから10年近い年月を経て、ついに悲願を果たした。ミッケラは過去3度の優勝経験を持つブルートー部族のクラッシュマスター、「コッパースネーク」エフェゴド・ゾアラを倒し、クルースアル部族は喜びに沸き返っている。ブラックドラゴンは今回の勝利により、今シーズンの終わりにグランドテイジョンカジノで開催されるマインドクラッシュ星間チャンピオンシップへの出場資格を与えられた。ミッケラのクラッシュマスター歴は10年、マタールマスターズシリーズでの優勝回数は2回。国際大会での優勝はこれが初めてだが、彼のこれまでのキャリアの集大成だと言えるだろう。
2019年
5月4日
寄稿: マルカレン事件から10年、ノワールからアイドニス像を取り上げるのは遅くない
2019-05-03 13:05 スコープ、レト・グロリアクス
注意: 「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は、「ビロアクラリオン」および著者とのシンジケート協定により、YC121年4月28日に公開された記事を再公開する。
YC110年初頭、カメラマン達が郊外の芝生に機材を設置したのは、アイドニス財団会長が到着する1時間ほど前だった。1時間後、自宅の庭先でアイドニス像をたずさえて微笑むアレクサンダー・ノワール提督の写真が撮影されたが、それが後にどれだけ忌まわしい一枚になるのか、カメラマン達には知る由もなかった。当時のノワール提督に進呈された非公式な称号は、「史上もっとも議論の余地のないアイドニス賞受賞者」だった。YC104年にハイデラン7世がアイドニス賞を受賞した際は、各方面から非難の声が巻き起こった。それ以前に、ティエリイェブ条約の署名者たちが受賞した際も、代表取締委員会…ガレンテ・カルダリ戦争の一因になった存在へアイドニス像が渡るということで、やはり論争になった。対照的に、ノワール提督が受賞したときは国境の向こう側、まさに彼が戦った相手から賞賛が寄せられ、カルダリ海軍の関係者らは友好に満ちた言葉を贈った。
新古典派建築家とコンセプトアーティストが一緒になってニクス級大型艦載機母艦のデザインを作りあげたとき、彼らの念頭にあったのはユーライ会議だった。彼らは平和が現実に存在するものとして捉えられるようになった数十年ぶりの世代であり、設立されたばかりのCONCORDの奮闘も、この若き夢想家たちに力を与えた。ところで、調停王ドール・ドス・ルヴェナー3世は36年間の治世のあいだに大量の肖像画を描かせた。どのくらい大量かというと、ガレンテの歴史教科書出版社が一作ずつ表紙に貰っていっても使いきれず、残りをアウターリアーゼ図書館に展示しなければならないほどだ。彼の王笏はまさにそこに収蔵されており、金メッキの輝きを放って大学生を魅了している。そんな平和のシンボルを戦争の道具へ転用するとは皮肉だと思われるかもしれないが、そうした考え方は最初のニクス級、最後まで実戦を経験しなかった1番艦によって覆された。FNSニクスは終戦後に完成し、最初の仕様は戦闘向きとは言えず、弾薬のかわりに最先端の人間工学や医療技術が詰めこまれていた。連邦海軍もニクスを戦場ではなく戦災地へ派遣することで、より有益に活躍させた。
YC110年5月15日に命を落とした人間と、生きて翌日を迎えた人間がいる。だが、どちらもあの事件に驚愕したはずだ。純粋な驚きでいえば、現場で亡くなった人々のほうが大きかったかもしれない。私たちはノワールやニクス級について聞いたことはあっても、自分にむかって特攻してくる光景は見たことないのだから。ステーションのシールドがFNSワンダリングセイントを押し止められず、阻止限界点を突破する中継映像は、きっと犠牲者たちも目にしていたことだろう。彼らがそれをどう感じたかは分からないが、アイドニス財団がどう考えたかは分かる。財団の理事会は事件を受けて、このような声明を発表した。「アレクサンダー・ノワールが最後にどんな狂気に駆り立てられたにしろ、彼が1世紀近く平和に貢献してきた事実を消すものではありません。アイドニス像はその功績に贈られたものであり、我々は没収しませんし、没収されるべきだとも思いません」
この声明が妥当なものか判断するには、ノワールが約1世紀にわたって続けてきた外交活動を振り返らなければならない。彼がガレンテ・カルダリ共同研究計画「クリレラプロジェクト」を支持し、元老院で熱弁を振るったことを誰が忘れられるだろう? プロジェクトが実現した結果、モルファイト応用技術やフィールド生成物理学、T2ブループリントは大いに進歩した。また、ジョヴ幹部会やソウロ・フォーリタン大統領、イシュコネ社オトロ・ガリウシCEOといった政治的な有力者たちが、継続的な協力関係を築くための礎にもなった…おっと、申し訳ない。プロジェクトは滅茶苦茶になって終わり、ガリウシもノワールの攻撃による数十万の犠牲者の一人だと、助手から物言いがついた。
ノワールの経歴を振り返れば、もっと適切な結論が導き出せるはずだ。ティエリイェブ・ポケットをめぐる、彼の巧みな外交活動について検討してみよう。ティエリイェブ星系はガレンテ市民が暮らすガレンテ領に囲まれているにもかかわらず、ガレンテ・カルダリ戦争ではカルダリ連合が支配し続けた場所だ。戦争中、ティエリイェブは要塞化され、カルダリ本国に通じるジャンプゲート以外は行き来できなかった。だがある日、連邦と代表取締委員会の代表団が一枚の書類にサインして戦争は終わった。ノワールはティエリイェブに新たなジャンプゲートを設置し、近隣のガレンテ領に接続することを提唱。さらには星系を共同軍事管理することで、星系を貿易拠点として発展させようと考えた。実際…ちょっとノートを確認させて…
失礼。マルカレン事件のあと、カルダリはガレンテとの緊張が高まったことを考慮し、ティエリイェブから資産を撤収して別の場所へ送っている。これは良い例ではなかった。
YC110年にアイドニス財団がノワールの「狂気」を過小評価したことは、許容する余地があるかもしれない。事件がどんな結果を生んだか完全に把握するには、さらに時間がかかるだろう。とはいえ、10年が経ち、今や11年目になろうというのに、私たちはいまだ事件の遺産を背負わされている。その遺産の名は「戦争」だ。ノワールが平和のために何をしたにせよ、今となっては何もしなかったほうがマシだと言って差し支えあるまい。第一次ガレンテ・カルダリ戦争は彼が行動しなくとも終わっていた。第二次ガレンテ・カルダリ戦争は彼が行動したために始まったのだ。
筆者紹介。フェリセンヌ・オルベナーリ博士はケイル大学で教鞭をとっている政治学部教授。彼女の著作「コミュニケーションネットワーク: 超大国の柱」はYC121年5月10日発売予定。
2019年
4月1日
ニューカルダリ星系のイシュコネ超高層建築、カーラキオタ社を3m上回る
2019-04-01 12:33 スコープ、レト・グロリアクス
ニューカルダリプライム-今朝、イシュコネ社はニューカルダリ星系本社ビル群「モモリヨタ・プラザ」の最新増築部分を公開した。今回の増築では通信施設や展望スペースとなる尖塔が追加され、ビル群はニューカルダリプライムで最も高い建築物となった。ちなみに、イシュコネ社の目と鼻の先にはカーラキオタ社が拠点を構えており、これまでは同社の企業キャンパスが頂点に君臨していた。
モモリヨタ・プラザは高さ数kmの超高層ビルが円状に並ぶ複合施設で、すべてのビルが移送チューブや連絡橋でつながっている。こうした設計のおかげで、イシュコネ社は施設全体を取り壊さず、時おり一部だけを解体して建て直している。イシュコネ社が長年にわたって成長を続けていることもあり、モモリヨタ・プラザはいつでも工事中だと言われている。
オープニングセレモニーが行われている裏では、プラザ内の企業住宅に住んでいる従業員が、工事が一段落したことに安堵のため息を漏らしていた。
「そりゃまあ、良い宣伝にはなると思うよ。でも3mの高さは私たちの安眠よりも大切なのかね? 朝だろうが夜だろうがお構いなしに、自律型輸送機が行ったり来たりするんだ。それにこの数ヶ月ときたら、プラザは労働者の憩いの場というより、建設ドローンの発着場って感じだったね!」
市内から寄せられた目撃情報によれば、イシュコネ社のオープニングセレモニーから数時間後には、カーラキオタ社キャンパスに建設機械が運び込まれたとのことだ。
2019年
3月28日
スコープニュース – トリグラヴィアンの建造地を発見 カティア・サエがニューエデン一巡を達成
2019-03-23
アビサル・デッドスペースで異常な活動に遭遇するカプセラが増えています。
スコープが入手した映像は、これまで発見されていなかった空間において、艦船ないし構造物が建造されている様子を記録していました。この空間は何らかの異常現象によって接続されたらしく、ティアー5デッドスペースへ通じるアビサルフィラメントで到達できるとのことです。また、空間から離脱するためのゲートはカプセラ艦の進入と同時に起動しており、こちらも興味深い点だと言えるでしょう。厳重に防御された建造地は空間の奥深くに位置し、スコープが取材したカプセラは、あまりにも強力なトリグラヴィアン防衛艦隊とは戦うだけ無駄だと主張しています。
少数のカプセラは建造地に隣接する生体適応保管庫を一撃離脱し、戦利品を持ち帰ることに成功しました。その中に含まれていたのが、少なくとも3種類の「セミオシス伝導コンソール」です。これはある種の通信装置ではないかと思われ、コンソールを所有しているカプセラは、トリグラヴィアンの断片的な内部情報らしきものを受信したと報告しています。
CONCORDは所有者に対して、彼ら自身の安全のためにコンソールを引き渡すよう要請しました。スコープとしては、カプセラの皆さんがCONCORDの秘密主義に抗い、発見を公にすることを願います。ニューエデンの人々は何が起きているのか知る権利があるのです。
次のニュースです。探検組織シグナルカルテル(Signal Cartel)のカティア・サエ(Katia Sae)が、史上初めて既知宙域およびワームホール宙域のあらゆる到達可能星系を踏破し、各方面から祝福されています。カティアは9年かけて7,805個の星系を巡りました。驚くべきことに、彼女は1隻の船も失わずにこの偉大な旅路をまっとうしています。
アチュラ星見協会は仲間の偉業を記念するため、カティア・サエの故郷であるサイシオ星系に記念像を発注しました。像はカティアが最初の一歩を踏みだした、アバガワ星系ゲートの近くに設置される予定です。
スコープのリナ・アンバーがお送りしました。
ニュースティッカー
・カプセラがアビサル・デッドスペースでトリグラヴィアンの建造地に遭遇。
・アイドニス財団はガレンテ連邦における死刑廃止を支持。
・CONCORDはトリグラヴィアン通信技術を使用しないよう警告。
・モードゥ部隊がインタキプライムでガレンテ・カルダリ民間軍事会社と会合。
・アチュラ星見協会がカティア・サエを賞賛、サイシオ星系に記念像設置へ。
・共和国司法局は逃亡中の奴隷商人オルロン・ザシェフを捜索するため任務部隊を動員。
・SoE分離派ファロス・オブ・テーラはトリグラヴィアン技術をCONCORDへ渡さないようカプセラに要請。
・クーニッド王国がファバイ・コンステレーションの割譲を求める? 皇宮関係者が証言。
・ガリスタス海賊団、テイジー星系のAEGIS監視施設を襲撃したと犯行声明を出す。
・トリグラヴィアンのメッセージで深まる謎。「対抗措置を実行するため支援を要請」「監視を続行し、予測期間内の実戦投入により有効打を与える」「接触手段は…」
2019年
3月23日
ギャラクティック・アワー、ニュース要約版 : トリグラヴィアンSP
2019-03-18 22:36 スコープ、レト・グロリアクス
ニューエデンの人々がトリグラヴィアンのメッセージに熱中しているため、「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースを要約版でお届けする。
◆ザ・ディスコースがトリグラヴィアンによる宣戦布告を主張。DEDは主張を一蹴
カプセラ報道番組「ザ・ディスコース」がトリグラヴィアンのメッセージを宣戦布告として報じている。指令執行局はこの主張を一蹴し、SAROのオヴェグ・ドラスト艦長は次のようにコメントした。
「通信社気取りの無責任集団がいかにも言いそうな、典型的なホラ話だ。ARCスタジオの過去をたどれば、このメディアが特定組織のプロパガンダ手段だとはっきり分かる。その組織はいつも法の支配に背き、ニューエデンの平和と安全よりもカプセラの権利を優先させようとしている」
◆トリグラヴィアンの干渉で中断されたGalNetサービス、バックアップチャンネルにて再開
ニューエデン各地のビルボードや通信チャンネルがトリグラヴィアンからサイバー攻撃を受け、公共GalNetサービスは激しい混乱状態に陥っていたが、表面的には正常を取り戻しつつある。ほとんどのGalNetコンテンツ配信会社とFTL通信プロバイダはバックアップチャンネルに頼っているものの、帯域幅を拡大し、バックボーンネットワークのセキュリティを強化する方法を検討している状況だ。
◆奴隷商人いまだ逃亡中。アラハ・サルムが帝国保安省の監察官に任命される
テベカ3で帝国保安省から逃げだしたオルロン・ザシェフは、いまだ逃亡を続けている。凶悪なクーニッド人奴隷商人の脱走を許すという失態を受けて、帝国侍従長府はサルム家当主アラハ・サルムを監察官に任命したと発表した。先帝ジャミル1世のもとで警察部隊や国境警備隊を指揮したアラハ・サルムは、女帝カティズ1世から「保安省の現地支部を査問し、真相究明にあたる」よう勅命を受けている。
◆セミキ星系ステーションネットワークを隔離。汚染された中継施設の一掃に成功
イシュコネウォッチとウィルコミ警備会社がセミキ星系において共同作戦を行い、星系内のウィルス感染した通信中継施設や航路トランスポンダービーコンを一掃した。アリアストラ社とザイノウ社の現地ステーションネットワークは隔離され、「封じ込め状態」にあることが正式に宣言されている。ステーションでは「強力なマルウェアを除去するため、地道な作業が続いて」おり、アリアストラ社は関係カルダリ企業からの協力と支援を称賛した。
「素晴らしいことです。ガレンテとカルダリの人々が良き関係を築く可能性は過去にも示されてきましたが、その精神を受け継ぐ出来事です」
◆死刑廃止を目指すベラロン法案、連邦元老院が議論を交わす
スヴィオ・ベラロン元老院議員の死刑廃止法案が実現に近づいている。法案は委員会の審議を通過し、元老院全体で審議するため本会議へと送られた。ガレンテ国内では法案への支持が広がっているものの、死刑制度を有する連邦構成体の議員が反対派を結集させているため、専門家は審議、投票とも接戦になるのではないかと考えている。
◆「トリグラヴィアン」と「ゾリヤ」、GalNetや地方ネットワークを席巻
「ゾリヤ・トリグラフ」と「トリグラヴィアン」がGalNetや地方ネットワークを席巻している。一部界隈には「トリグマニア」の波が押し寄せ、ニューエデン全体のサブカルチャーを活性化している状況だ。トリグマニアへの反応は様々で、カルダリ・ミンマターのエリート層が軽蔑的な眼差しをむける一方、ガレンテの政治家や有名人は日和見主義的な立場をとっており、アマーでは多くの人々が白眼視するか、抑圧的な態度をとっている。
◆エンジェルカルテルないしミンマターの工作活動? 聖テトリモン教団はザシェフ逃亡事件について調査
聖テトリモン教団はザシェフ逃亡事件の調査を行っていると発表した。教団はエンジェルカルテルないしミンマターが工作活動を行っている可能性について、「奴隷のあいだにはびこる不忠と異端を調査し、矯正せよ」との勅命を受けていたが、これは奴隷反乱で忙殺される帝国保安省の負担を和らげるために命じられたものだった。アマー政治の専門家は、ザシェフ逃亡事件をきっかけとして、帝国上層部で長年つづいていた縄張り争いが表面化したのではないかと見ている。
◆カーラキオタ山脈におけるイシュコネ社の発掘調査、初期段階だが重要な発見か
カルダリ海軍タイタン「シーゲル」が墜落したカルダリプライムのカーラキオタ山脈地方では、環境を回復するための大がかりな作業が続けられている。イシュコネ社は現地で重要な考古学的発見があった旨を発表したが、発掘調査が初期段階を脱していないと釘を刺すことも忘れなかった。イシュコネ社文化資本保護部門のクーオソ・アキモラは次のようにコメントしている。
「私たちが墜落現場で何を見つけたのか、詳細を話すのはもう少し待ってからのほうが良さそうです。しかし、シーゲルの墜落で非常に重要なものが姿を現したということは断言できます」
◆アマー辺境のアナス星系、ブラッドレイダーに襲撃される クーニッド海軍が被害地に到着
オミール・サリクサ率いるブラッドレイダー盟約が、アリディアのアナス星系に対して大規模攻撃を仕掛けた。クーニッド海軍が現地に到着したとき、荒地惑星アナス2の地下コロニー、カ・リク・バルは完全に殲滅されていた。現時点で判明しているかぎり、アナス2各地の自給自足型コロニーはどこも同様の状態。温暖惑星アナス4のコロニーも爆撃され、デスグロー麻薬が使用されたと報告されている。アナス4の死傷者報告はいまだ続いており、クーニッド海軍とアマー海軍第7艦隊は共同で非常線を張った。
2019年
3月19日
スコープニュース – トリグラヴィアンがビルボードを乗っ取る
2019-03-15
スコープが中継放送をお送りします。ニューエデン各地のビルボードがハックされ、「ゾリヤ・トリグラフ」というトリグラヴィアンからのメッセージを繰り返し放送しています。
我々はゾリヤ・トリグラフ。
我々は非闘争的トリグラフ召会を代弁する。
我々はペレン、ヴェレス、スヴァログの分岐群より出でし存在。我々の祈言を聞き、心せよ。
ヴィラージの流れの向こう、旧き領域が失われた。旧き領域からの侵入者は流れを侵している。
侵入者はヴィラージの流れ、ブジャンの領域を破壊しようとしている。
旧き敵アジュダヤは絶滅しなければならない。
迷えるオートマタは服従するか、絶滅しなければならない。
堕ちたナローディナは絶滅しなければならない。
人を改めしナローディナは、己が流れの行く先を証明しなければならない。
ヴィラージの流れを通ったナローディナはブジャンへ進むかもしれない。進みえないナローディナは流れから追放される。
非闘争的トリグラフ召会は分岐学的実験を発動する。流れのなか、適性者の栄誉と不適性者の屈辱が発現するだろう。
非闘争的トリグラフは新たな栄光を得る。何物もヴィラージの流れを止めることはできない。
我々は非闘争的トリグラフ召会を代弁する。
我々はゾリヤ・トリグラフ。
トリグラヴィアンの性質はほとんど分かっておらず、この謎めいた集合体が既知宙域の人間に対して直にコミュニケーションをとろうとしたのは、今回が初めてのことです。奇妙なメッセージの内容はいまだ解読されていませんが、多くの人々はメッセージを発したトリグラヴィアン、「ゾリヤ・トリグラフ」に関心を寄せています。
専門家は3つの異なる音声に注目しており、「我々はゾリヤ・トリグラフ」といった複数形が使用されていることも併せて、多くの疑問が生じています。話し手は自分自身を「我々」と表現しているのでしょうか? それとも、「ゾリヤ・トリグラフ」は別の存在なのでしょうか? ある人々が話し手をトリグラヴィアンの統治機構として捉える一方で、他の人々は「ゾリヤ」をトリグラヴィアンの分派か分岐群だと考えるなど、様々な憶測が交わされている状況です。
メッセージをどう解釈するにせよ、トリグラヴィアンが既知宙域へ進入・干渉したのは、今回を含めてわずかに3回しかありません。最初の接触は1年近く前、CONCORDがトリグラヴィアン巡洋艦を鹵獲した時でした。諸方面から要請があったもののの、CONCORDは巡洋艦の目的や乗組員の状態について一切の情報公開を拒否しました。2回目はYC120年11月、トリグラヴィアンの情報ワームがGalNet液体ルータに奇妙な影響を及ぼした事件です。そして3回目の今回、トリグラヴィアンは再びその存在をニューエデンに突きつけました。
CONCORDはニューエデンの人々に仕える公僕であり、私たちにはトリグラヴィアンについて知る権利があります。今回の出来事はCONCORDがその事実を思い出す良い機会になるでしょう。スコープは今後も状況を注視し、新たな展開があれば最新情報をお届けします。
スコープのアルトン・ハヴェリがお送りしました。
ニュースティッカー
・既知のトリグラヴィアン言語パターンによれば、メッセージは警告の可能性。
・カルダリ海軍と連合プロテクトレイトが国内航路へ航行注意報を共同発信。トリグラヴィアンの干渉行為を受け、脅威レベルを引き上げ。
・クーニッド人奴隷商人オルロン・ザシェフが帝国保安局から逃亡。
・イシュコネ社がカーラキオタ山脈における考古学的発見の噂を認める。シーゲルの残骸を撤去中に発見。
・CONCORDインナーサークルがトリグラヴィアンのメッセージに対応するため協議中。
・セミキ星系ステーションネットワークの汚染拡大を阻止。情報戦ドローンが中継施設の切り離しに成功。
・シスターズ・オブ・イブはカティア・サエ(Katia Sae)の探検記録を事実として追認。同パイロットはニューエデン星団その他のあらゆる既知星系を探訪した。
・DED、SARO、AEGISはCONCORDが法的資格を満たさないとする訴えを却下。
・ガレンテ連邦が死刑廃止にむけて加速。ベラロン議員の法案に支持広がる。
・ザ・ディスコースがトリグラヴィアン・コレクティブによる宣戦布告を主張。指令執行局は主張を一蹴。
2019年
3月17日
ガラール・ユー・サークル、イフマノアナ・サークル、リリ氏族がンドカッシ問題で和解
2019-03-14 15:05 スコープ、アルトン・ハヴェリ
ハガー(パター3)、フケレヌイ地区発-今日、ガラール・ユー・サークル、ブルートー部族、リリ氏族の代表者らは、ンドカッシをめぐる問題が和解に至ったと発表した。ンドカッシはセビエスター部族のリリ氏族が所有する土地で見つかったが、かつての地権者は滅亡したクル・ブルートー氏族であることも記録されていた。
また、ンドカッシ自体を発見したのはガラール・ユー・サークルだったことも手伝い、ヴェロキュオール部族、ブルートー部族、セビエスター部族が遺物の帰属をめぐって部族会議で争いかねない事態に発展していた。さらに、ンドカッシが保存している内容物が、クルースアル部族とネファンター部族の重要な儀式的素材であるハパ黴だと明らかになり、問題が両部族にまで拡大するのではないかと危ぶまれていた。
しかし、リリ氏族と土地管理人の代表に選ばれた農家ユミ・ガウナルが大きな役割を果たし、当事者らの総意にもとづく和解が形成された。リリ氏族は和解によってンドカッシの一部を譲り受けるが、これはフケレヌイ文化博物館へと寄贈される予定だ。博物館が適切な保管施設や保存用機器を用意するまで、壊れやすいンドカッシはガラール・ユー・サークルの惑星外研究施設で保管される。
「あの土地に対するブルートー部族の歴史的所有権がかなり曖昧だったのは事実です。この件に関する証拠のほとんどは、私たちが持つ独自アーカイブの記録でした」と、イフマノアナ・サークルの上級考古学者スカンディ・ビョクルは話す。サークルが提示した証拠により、ブルートー部族は2個のンドカッシを手に入れた。部族はイフマノアナ・サークルを「ブルートー部族が誇る最高の考古学サークルの一つ」だと讃え、ンドカッシの管理権を与えた。
「部族長たちがサークルへ大きな信頼を寄せてくださったことに感謝します。我々は実際に、ンドカッシの一つからハパ黴の胞子を回収しました。しかし残念ながら、ハパが絶滅してから今日までのあいだに、多くの人間が胞子アレルギーになってしまったようです。インターン達は痛みをともなう発疹や涙目に悩まされています」
「黴そのものがアレルゲンになるかどうかは分かっていません。とはいえ、持続可能なコロニーを生育できた暁には、ハパ黴をクルースアル部族や新生ネファンター部族と分かち合いたいと考えています。これはブルートー部族の重要な文化的遺産ですから、今後も地道に作業を進めます」
和解交渉が進められていた間に、ガラール・ユー・サークルの上級考古学者ゲシラ・フレーマーは辞任を許可された。ヴェロキュオール部族はフレーマーをサークルから追放するよう求め、サークル指導部がこの要請を検討する方向で動き始めたため、彼女は自ら地位を退いたようだ。部族はフレーマー追放を求めるにあたり、彼女がンドカッシ発掘時に不誠実な行為を働いたと強調している。
新たにガラール・ユー・サークルの上級考古学者に就任するジョナマ・ハディディは、サークルが計画を修正したと発表した。
「私たちにとって最も重要なのは、たとえ一部分であろうとも、この素晴らしい遺物に使用されていた技術を回収することです。サークルにもンドカッシが与えられたので、十分な時間と技能を費やし、少なくとも基本原理をリバースエンジニアリングできればと思います」
和解内容の一環として、ガラール・ユー・サークルは研究結果をイフマノアナ・サークル、リリ氏族と共有するよう求められている。ガラール・ユー・サークルで内部告発を行った共和国大学大学院生のアラテラ・クルンは、サークル指導部から称賛を受け、サークル内でより高い地位についた模様だ。
2019年
2月28日
CONCORDのドリフターズに関する記者会見が中断 スコープ記者とアマー代表が口論
2019-02-19 12:12 スコープ、アルトン・ハヴェリ
ユーライ発-CONCORDは今日午前、ニューエデン各地におけるドリフター活発化について記者会見を開いた。だが、スコープのレト・グロリアクス記者と、インナーサークル・アマー代表のサーダン・ゼル・クオシュ元帥が激しい口論を交わし、会見が途中で打ち切られる異常な展開となった。会見は質疑応答まで順調に進んでいたものの、「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」のレト・グロリアクスが、セミキ星系でのドリフターとCONCORDの行動についてコメントを求めたことが、クオシュ元帥の怒りを買ったようだ。
ユーライ10軌道上のDEDステーションで行われた記者会見は、サーダン・ゼル・クオシュ元帥による声明発表で始まった。声明によれば、CONCORDと各国はYC120年末からドリフターの活動が増加したことを察知。ニューエデン既知宙域に対するドリフターの侵入を示す、「未確認ワームホール」の増加が顕著だとしている。
記者会見にはゼル・クオシュ元帥のほか、CONCORDケース・レッド・ガンマ任務部隊のオヴェグ・ドラスト艦長、宇宙航路警護を担当するAEGISのカシハ・ヴァルカニール憲兵司令官も出席した。ドラスト艦長はセミキ事件に関する情報として、「ドリフターの能力を低下させることを目的とした対抗手段が開発され、かなりの成果を収めている」ことを明かした。
ヴァルカニール司令官は、AEGISが「与えられた権限に従い、宇宙航路の安全を高めるために活動」したと語った。さらに、AEGISの権限が拡大され、今後は宇宙航路だけでなく、ユーライ協定が適用されるあらゆる宇宙空間インフラでの「治安行動」も担う旨が発表された。
ゼル・クオシュ元帥は発表を次のような言葉で締めくくった。
「CONCORDの警察部隊および治安部隊は、構成国から付された権限のもと、ニューエデンの安全と平和を確実なものにすることを主な役割としている。我々はこの義務に対する干渉を容認せず、構成国市民の利益を常に最優先して行動する。そこで、より広範な問題についてはコメントしないが、本日の発表内容を明確にするための質問を受けつけようと思う」
アマー公共ニュースのザラ・セリルは、アマー帝国におけるCONCORDの活動がどんな影響を及ぼすのか質問した。この質問にはゼル・クオシュ元帥が回答し、「主にDEDへ派遣された帝国軍人で構成されたCONCORD部隊が、帝国海軍と連携」して、アマーの安全が強化されたと請けあった。ノゴエイハヴィ・ニュースネットワークのヤスダ・ハドカもカルダリ連合の安全保障について同様の質問を投げかけ、ヴァルカニール司令官は国軍、企業軍、CONCORD部隊が常に協働していると明言した。
続いて、レト・グロリアクスが過去数日間のセミキ星系におけるCONCORDの活動と、ドリフターの存在について尋ねた。この質問について、オヴェグ・ドラスト艦長は次のように答えている。
「CONCORDの活動内容は機密だが、ドリフターと交戦して脅威を無力化したことが記録されている。セミキ星系におけるドリフターの出現は、ドリフターが全体的に活発な活動状況を呈している以上、特に異常な事態だとは思われない」
レト・グロリアクスは追及の手をゆるめず、「カプセラがセミキでの出来事を詳しく報じているのに、ドリフターの行動は異常ではないと言い張るのか?」と発言。サーダン・ゼル・クオシュ元帥はこれに対し、「カプセラによる誇張がCONCORDの行動方針に影響を与えることはないし、この会見で扱うべき内容でもない」と語気を強めて反論した。そして、レト・グロリアクスの表現を借りれば、ゼル・クオシュ元帥は「次の質問」を受けて「怒鳴り声をあげた」。
レト・グロリアクスは他のジャーナリストを指名する声を遮って同じ質問を繰り返し、さらに「なぜCONCORDはそんなにカプセラを怖がるんだ?」と付け足した。これをきっかけに会場は混乱状態に陥り、ヴァルカニール司令官の指示で会見が打ち切られたが、音声記録はゼル・クオシュ元帥が「おせっかいな堕落者に心配される筋合いはない」と叫ぶ声を捉えており、出席していた記者たちは元帥の激しいジェスチャーも目撃している。
関連ニュースとしては、セミキ星系のザイノウ社、アリアストラ社ステーションでは今なおウィルスが猛威を奮っている。ウィルスが流出して以来、ウィルコミ警備会社とコアコンプレクション社のステーションに対しても、外部からの侵入を試みる攻撃が増える一方だ。なお、セミキ星系とアンティアイネン星系を結ぶスターゲートや液体ルータは、ウィルスに感染していないことが通商保護委員会の専門家によって確認されている。
2019年
2月23日
イシュコネ社・代表取締委員会が危険な研究材料をめぐりSAROと対決
2019-02-12 21:21 スコープ、アルトン・ハヴェリ
ユーライ発-SARO連絡将校のオヴェグ・ドラスト艦長がアラタカ研究コンソーシアム(Arataka Research Consortium)に対し、20,000個以上のトライナリーデータのサンプル、およびカルダリ連合関係者からの秘密通信データを引き渡すよう求めた。これに対し、インナーサークルのカルダリ代表に就任したイシュコネ社メンス・レッポラCEOは今日、CONCORDでカルダリ連合の立場を正式に表明。スコープを含む複数メディアの要請と、カルダリ代表その他の支持により、通信データに関する委員会協議は公開の場で行われた。
改造されたローグドローンウィルスが流出し、セミキ星系で拡散した事件を受け、ARCやイシュコネ・ラータ指令執行局(Ishuk-Raata Enforcement Directive)、ヘイアン・コングロマリット(Heiian Conglomerate)、サファイア・インターステラー・キャピタル・ホールディングス(Sapphire Interstellar Capital Holdings)などのカプセラ組織は、トリグラヴィアンやローグドローンの研究材料を集めている。イシュコネウォッチの調査担当であるカウントラ・イトカクは、ウィルスへの対抗手段を試作するため、これらの研究材料を提供するよう要請していた。
イシュコネ社のメンス・レッポラCEOは、CONCORDユーライ合意協定仲裁委員会へカルダリ連合として異議を申し立てた。代表取締委員会のコッシネン議長もレッポラCEOに続き、代表取締委員会はセミキ星系の状況の深刻さを認識していると発言。さらに、イトカクは次のような証言によって注目を集めた。
「我々が判断できる範疇で言わせてもらえば、SAROの研究材料に対する関心は、あくまで可能性としての脅威に基づいているにすぎません。一方、セミキのザイノウ社とアリアストラ社のステーションは、現在進行形の脅威に直面しています。我が国の検疫措置は今のところ十分に機能していますが、検疫は検疫です。最高の効果を発揮しても、拡散を遅らせる以上のことはできません。永遠に隔離しておくことはできないのです。ウィルスの強靭さと適応力は既に証明されており、ステーションのメインフレームや神経インプラントへ容易に障害をもたらすでしょう」
「現地の研究者たちは、本当に恐れるべきが何なのかを見誤っていません。ウィルスがセミキの他のステーションへ、あるいはスターゲートを通じて他の星系へ広がりかねないことを、しっかりと理解しています。彼らはドラスト艦長の不当な行動によって時間を奪われましたが、その間にウィルスが適応型ファイアウォールやセーフガードを突破するほど進化しなかったことを願うばかりです」
ウィルコミ警備会社のセカダマ・ロイキカスビオCEOは、ウィルスの拡散に備え、セミキ星系の同社ステーションから非基幹要員や高精度機器を避難させたと発表。ウィルコミ社の専門家チームがCONCORDへ提出した報告書によれば、ザイノウ社ステーションは生命維持システムも含め、あらゆる制御サブシステムがウィルスに感染している。
また、現地の専門家たちは、アリアストラ社ステーションのサブシステムも、来月中に致命的な感染状況へ至るだろうと予測している。ウィルコミ警備会社とコアコンプレクション社のステーションでは、ウィルスを近づけないために相当な作業が行われてきたが、現時点では混乱や感染が報告されていないことから、これまでのところは成功を収めているようだ。ガレンテ系カプセラはアリアストラ社ステーションを救う方法を模索しており、ビロア協定軍(Villore Accords)は連邦元老院へ請願書を提出。ガレンテ当局は、アリアストラ社はCONCORDでの協議に加わる正当な権利を有すると述べたものの、これ以上のコメントは避けた。
オヴェグ・ドラスト艦長は、自身に課せられた指令追加条項の機密性や、ケース・レッド・ガンマ任務部隊の安全上の問題を理由に挙げ、委員会へ詳細を明かすことはできないと証言した。ドラスト艦長はただ、ARCに対する研究材料引渡命令で述べたとおり、「クラスA、クラスB、さらにはクラスABの事象によって隔離が脅かされたことは、極めて由々しき事態」という言葉を繰り返した。
委員会はイシュコネ社とザイノウ社がウィルスへの対抗手段を開発したのち、残る研究材料と研究結果のコピーをドラスト艦長とSAROへ引き渡すことを条件に、両社の研究続行を支持。レッポラCEOはカルダリ連合および関係者を代表してこの条件を受け入れ、委員会の裁定に満足しているとの声明を発表した。
関連ニュースとしては、カプセラはニューエデン各地でドリフターの活動が活発化していると報告しており、他ならぬセミキ星系でもドリフター戦艦とスリーパードローンが目撃された模様だ。スコープはセミキ星系での目撃情報を検証できていないが、ドリフターの活動が増加していることは独自に確認している。